注文住宅に限らず、ホテル・宿泊施設、商業施設や店舗デザイン、京町家再生からリフォーム・収益マンション・ゲストハウスまで豊富な実績をもつローバーのお仕事をご紹介いたします。
敗戦から再興し、めざましい成長を続けていた昭和30年代。人々は日々、努力を続け、ここ京都においても、いわゆる「文化住宅」の建設が進んでいった。木造2階建ての長屋型アパートの中で、内風呂はなくても、素晴らしい未来を信じ、豊かな生活を営んでいたのであろう。
瓦葺きの屋根とモルタル塗りの外壁をもつ典型的な「文化住宅」をモダンにリノベーションしたカフェである。2階部分の低い天井を取り払うと、そこにあるのは京町家を彷彿させるような、“ごろんぼ”(丸太梁)があらわれる。屋根下地に使用されている杉板では、断熱性能が良くないために断熱補強工事を施した。
木のぬくもりと、自然光を感じる安らぎの室内には、ベロアをまとったレトロでモダンなチェアーがおかれる。オーナーが自ら、「阪急電車の座席」をイメージしてコーディネートされた懐かしさを感じる座り心地のいい椅子である。レトロ感あふれる小物や雑貨が彩りを添える店内インテリアは、昭和の雰囲気を肌で感じる「くつろぎロマン」ともいうべき癒しの空間。
今後ますます増えていくであろう、文化住宅の再生において、ひとつの応答事例が存在すると考えるとともに、戦前の京町家とも共通する「空間のぬくもり」を戦後の文化住宅にも感じたプロジェクトであった。
建築場所 | 京都市中京区壬生 |
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構造・階数 | 木造2階建 |
用途 | 店舗 |
建築面積 | --㎡(--坪) |
施工面積 | 7.5坪 |
竣工年 | 平成21年(2009年) |