北区紫野にある禅宗寺院「大徳寺」。正中2年(1325年)に創建されたこの臨済宗大徳寺派の大本山は、京都でも有数の規模を有している。境内には仏殿や法堂の他に、20を超える塔頭が立ち並び、近世の雰囲気を今もなお残し続けている。室町時代には「一休さん」でおなじみの名僧一休宗純も輩出し、以後茶の湯文化の中心的存在として、武野紹鴎、千利休をはじめとした多くの茶人が参禅することともなる。
そんな大徳寺総門の門前に、一軒のカフェを設計する機会に恵まれた。旧大宮通りをはさんで向かい側に位置するこの「CAFE DU MON」には、参拝者の憩いの空間であると同時に門前にふさわしい、現代的な新しいカフェスタイルであることが求められた。ただし、この大徳寺の周辺地域には風致地区という厳しいデザイン規制がかけられており、より”京都らしさ”が求められる地域となっている。
「都市の自然的景観を維持し、緑豊かな生活環境を形成すること」とある。京都らしい美しい自然的風景とはなにか。私たちは緑豊かな大徳寺周辺の美しい環境を、カフェの内部空間に取り込み、その繋ぎ役としての色彩設計を窓枠と飾り格子に用いることとした。渋い黄緑色が周辺の深い緑と調和し、洗練された町角のカフェとなるように計画したのである。
建築場所 | 京都市北区紫野大徳寺 |
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用途 | 店舗 |
竣工年 | 平成20年(2008年) |