近年京都で、トップクラスの人気を誇る「御所南小学校区」。都心にありながら、その住環境の良さが見直され、若い世代を中心に、注目を集めている。そんな御所南学区に新居を計画されているクライアントも小さなお子さまがいらっしゃる若いご夫婦。
構想から丸2年。京都にとってふさわしいこれからの現代住宅のありかたとは?計画当初より、NHKニュースや「クローズアップ現代」等、マスコミ各社にも取り上げていただいた話題の新景観条例適合住宅は、難産の末、京都市との数多くの協議こなしながら、私たちなりの”かたち”ができあがりました。一体、本当の”京都らしさ”とは何なのか?決して瓦や格子だけでは表現することのできない、京都の良さを、なかば、行政に伝授するかたちで協議は進行した。
巧妙な空間連鎖が創出する光と風のコンツェルトは、ある意味京都が「ウナギの寝床」で織り上げてきた、珠玉の暮らしの智慧であり、それを現代というこのステージで再展開するときひとつの意味づけを見いだすことができる。それは、京町家風といった、安直な形態に帰結するものではなく、狭義の意味での地域文化形成に深く根ざした、まさしく私たちの設計指針である地域性を重視した愛される設計でなければならないのである。また、二世帯住宅という現在では当たり前となっている住環境様式の観点からも、上記については先進的な提案をおこない、ひと昔前の価値観を現代住宅に立体的に織り込んでいる。
光と風が通り抜け、圧倒的な開放感が特徴的な「YM HOUSE」は座抜けの視線を意識しながら立体的に再構築した、現代の二世帯住宅。ご家族のしあわせな暮らしがおおきな吹抜空間にこだましていきます。
建築場所 | 京都市中京区御所南 |
---|---|
構造・階数 | 鉄骨造地上3階建 |
用途 | 二世帯住宅 |
敷地面積 | 274.84㎡(83.03坪) |
施工面積 | 83.03㎡(120.07坪) |
竣工年 | 平成21年(2009年) |