~伝統空間に煌めきを添える古民家再生事例~
関宿の御馳走場(関宿に出入りする大名行列を、宿役人が送迎をするための場所)に隣接する「OIHOUSE(亀山市伝統的建造物指定)」の改装は、安政2年(1855)に建造された築154年の古民家再生プロジェクト。
関宿の歴史と文化を肌で感じながらの古民家再生は、伝統と現在の人々の暮らしが調和する、心地よい新・伝統空間の構築を目指して計画が進められた。
亀山市教育委員会とも協議を重ね、関宿における保存再生のありかたを目指した私たちは、「用」の中に「美」を重ね、伝統空間に煌めきを添える手法によりひとつの解答を導き出そうと試みたのである。
光のコントラストを意識した照明計画にいくつもの視点場を設け、互いが呼応するように空間のシークエンスを連続的に構成した。
京町家再生のノウハウを最大限に生かし、上質で落ちつきのある空間でありながらきらめきのある空間創出に努めたのである。
地域住民にも開かれた施設としても活用が期待される「関宿の家」。
コミュニティの場として今後に期待される古民家再生事例である。
建築場所 | 三重県亀山市関宿 |
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構造・階数 | 木造平屋 |
用途 | ギャラリー兼住宅 |
施工面積 | 78.32㎡(23.69坪) |
竣工年 | 平成21年7月(2009年) |
建物工事費(税別) | 1500万円 |