昭和26年に建造された木造校舎が印象的な、京都市S幼稚園。長年、園児たちが慣れ親しんできた想い出の園舎も、築50年以上が経過し、老朽化が進行していた。
園児たちの安心と安全を守るために、大規模な改修を今回行い、あわせて、よりよい教育環境を創り出すためのさまざなな改善が加えられた。
今まで倉庫としてしか活用されていなかった、2階部分は耐震補強をおこないながら、小屋梁を大胆にあらわした大きなプレイルームとして生まれ変わった。コンクリートで囲まれた無機質な空間ではなく木の温もりを肌でかんじることのできる大空間は園児の情操教育におおいに役立つ物であると考える。
1階の園児教室においても補強工事を行いながら、床暖房を敷設し、とくに年少組園児の教育環境の向上に役立つものである。
別館との接続部分はホールと一体化した廊下スペースとして計画する事により、ホール面積の拡大と改修園舎との機能的な接続を図った。また、新設されたトイレスペースは、園児の目線にたった設計を心がけ、トイレの練習が効果的に行えるオープンスペースとしての再整備を心がけた。
グラウンドにある旧京都市電の想い出とともに、これからも園児の記憶に残り続ける、想い出の園舎となれば幸いである。
建築場所 | 京都市北区 |
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構造・階数 | 木造・鉄筋地上2階建 |
用途 | 幼稚園 |
建築面積 | 231.54㎡ (70.04坪) |
延床面積 | 381.32㎡ (115.35坪) |
竣工年 | 平成22年(2010年) |