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ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。

毎日新聞 2017年11月17日号

毎日新聞 2017年11月17日号
 

きょうと空間創生術 [266]

「空が広がる先斗町」

毎日新聞 2017年11月17日号 京都の五花街のひとつでもある「先斗町」。南北500メートルあまりにわたる、この細長い通りは、お茶屋や飲食店などの伝統的建造物が今も多く建ち並び、京都市においても「界わい景観整備地区」に指定されている。

 鴨川と木屋町通の間、三条通一筋下ルから四条通まで続く、先斗町通の歴史は古く、この地に水茶屋が初めて設けられたのは1712(正徳2)年の頃といわれている。毎年、先斗町歌舞練場で行われる「鴨川をどり」が初演されたのは1872(明治5)年のこと。東京遷都後の京都の繁栄を願って開かれた第1回京都博覧会の一部として公演されたのがその始まりである。

 幅2メートル内外の狭小な道路でありながら、その美しい情緒ある風情は観光客にも人気が高く、連日多くの人々でにぎわいを見せている。ふと空を見上げると、現在、多くの電線類が地上の電柱から張り巡らされている=写真。このような現状を改善するため、現在、京都市において2019年度の完成を目指して、「先斗町通無電柱化事業」が進められている。

 道幅が非常に狭く伝統的な建物が通りの両側に立ち並んでいるため、以前は、実現困難であると考えられてきた、先斗町通の無電柱化。しかしながら地域住民や事業者の協力と「先斗町方式」とよばれる地中埋設物の小型化など新方式を進めた結果、合計18本の電柱を無くし、電線類を地中化することが可能となったのである。

 併せて、現在のアスファルト舗装も上七軒などで採用されている、石畳風舗装へと生まれかわる予定。これから新しくなる「先斗町」の空と町並み。その美しい独特の情緒ある風情がさらに美しくなる3年後が楽しみである。

 
(株)ローバー都市建築事務所


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