Published 〜メディア掲載情報〜

ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。

毎日新聞 2017年10月20日号

毎日新聞 2017年10月20日号
 

きょうと空間創生術 [264]

「感謝をカタチに 京都賀寿苑」

毎日新聞 2017年10月20日号  古来、日本には長寿を祝うそれぞれの儀礼があり、現在でも「還暦」をはじめとして、代表的なものとして「古希(70歳)」「喜寿(77歳)」「傘寿(80歳)」「米寿(88歳)」「卒寿(90歳)」「白寿(99歳)」などの長寿のお祝いがある。先日、そんな人生の大切な節目を祝う、一軒のセレモニー施設を設計する機会に恵まれた。

 京都市上京区烏丸鞍馬口下ル、烏丸通東側に面した場所に位置する「京都賀寿苑」=写真、岡田大次郎さん撮影。以前は、ベーカリーショップ&カフェであった建物に全面改装を施し、新しい施設として再生させたプロジェクトとなる。

 京都賀寿苑のコンセプトは”感謝をカタチに”。日ごろからお世話になっている両親や祖父母に対して、感謝の気持ちを伝えるための、さまざまなサービスを提供することのできる館内計画となっている。衣装の選定・着付けから始まり、記念撮影、記念セレモニー、記念品贈呈、食事会の手配まで、長寿のお祝いにふさわしいプログラムの開催が可能となっている。

 大きな格子を建物の前面に設置し、独特の落ち着きと彩りを街路に添えるエレメントとして計画。以前の店舗のプロポーションはそのまま残しながら、1階部分には、小さな通り庇(びさし)をデザインすることにより、全体的にシャープな印象を演出している。内部空間においては、限られたスペースの中に多彩な機能を織り込みながら、間接照明と木の持つ自然素材のぬくもりを感じることのできる高級感のある内装デザインを施し、施設全体の品格を高める工夫がなされている。

 日ごろの感謝の思いを”かたち”にあらわす、新しいコンセプトの施設設計。小さなプロジェクトではあったが人々に喜んでいただける、印象に残るプロジェクトとなった。

 
(株)ローバー都市建築事務所


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