ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。
きょうと空間創生術 [255]
JR京都駅南口、堀川八条南西角・イオンモールKYOTO北側に昨年完成した「ワコール新京都ビル」。弧を描いたガラス張りの外観と、その柔和なイメージが印象的なこのオフィスビルは、ワコールの創業70周年を記念して建設されている。
建物の1、2階部分には、一般の人々でも気軽に利用することのできるカフェ・ギャラリーが計画され、明るく開放的な空間で「京都駅南口のオアシス」ともいうべき憩いの場所が整備されている=写真。
さらには、ワコールの理念を"かたち"にした「ワコールスタディホール京都」が設立され、スクール、ライブラリ−・コワーキングスペース、ギャラリーと多様なスペースにさまざまな角度から「美」を収集し、学ぶことのできる環境が整えられている。
「美しく美しく、より美しく。まことに単純だが、美しくあってほしいのは女性だけにとどまらない。心のありよう、社会のありよう、そして国際社会もそうあってもらいたい。これは人間の希求である」。これはワコール創業25周年を記念して、創業者・塚本幸一が企業理念として掲げた言葉である。
自分のからだへの関心が高まる「身体の美」、美意識や知性・教養など目に見えない美を追求する「感性の美」、そして美しい社会、人間関係のありようや京都に息づく美学について学ぶ「社会の美」。見た目だけでなく、感性や知性など内面の美しさに加え、社会のありようまで美しくなることを目指して、設立された学びの場「ワコールスタディホール京都」。美しい空間に身を委ね、感性を刺激することのできた春のひとときであった。