Published 〜メディア掲載情報〜

ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。

毎日新聞 2017年03月24日号

毎日新聞 2017年03月24日号
 

きょうと空間創生術 [250]

「グループ、家族旅行に最適化」

毎日新聞 2017年03月24日号 先日、京都市上京区猪熊丸太町に1軒の宿泊特化型ホテル「Room by Room 町ノ屋京都二条城」を設計する機会に恵まれた。世界遺産・二条城の北側に位置するこのホテルには全22室の部屋が計画され、露天風呂や日本庭園といった京の風情を感じる工夫も随所になされている。

 特徴的であるのは、全室3人以上の宿泊を可能とし、グループ旅行・家族旅行に最適化を図ったその利用者設定にある。年々、増加の一途をたどる京都への観光客。従来のツインタイプルームでは対応しきれなかった、グループ・家族層の要望に適確に応えることにより新しい独自の魅力を創出することをその狙いとしている。

 二つの客室を互いに部屋内の扉で行き来することのできるコネクティングルームを多く計画し、最大9人が接続された2部屋で宿泊可能となっている。友人同士、家族旅行のひとときに、よりにぎやかで楽しむことのできる滞在空間を実現している。

 通常は、幅広い利用者層を想定して宿泊施設を設計することの多い中、今回このように明確にターゲットを設定することによって、得られる計画上の合理化・省スペース化などの利点は多い。経営資源をある特定の顧客層に集中させることにより、効率的な運営を可能にするといったメリットもある。

 写真は、二条城大広間を現代的にアレンジした、玄関ロビー部分。折上格天井を間接照明でデザインし、格式の中に柔和な印象を創りあげている。画一的になりがちな廊下部分の意匠についても城郭のデザインをモダンに演出している。

 これからも新しい変化を続ける、京都の宿泊施設。今後もその最新動向が気になるところである。

 
(株)ローバー都市建築事務所


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