ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。
きょうと空間創生術 [248]
最近、話題のいわゆる「宿泊特化型ホテル」。従前のホテルにみられた、宴会や会議・レストランといった余分な要素を排除し、ホテル本来の機能である宿泊部門のみを館内に計画し、デザイン性と利便性を両立しながら快適で上質な宿泊空間を生み出すことから、新しいタイプのホテル形態として、京都においても現在多くの計画が進められている。
先日、そんな「宿泊特化型ホテル」のひとつである、京都市中京区四条通大宮西入ルにある「ホテルエムズ・プラス四条大宮」を訪れる機会に恵まれた。今月19日に開業したばかりのこのホテルは、地上9階建て、164の総客室を持つ都心型デザイナーズホテルである。館内には通常のシングルルーム・ツインルーム・ダブルルームといった宿泊室の他に、トリプルルーム・和室・和洋室といったタイプの部屋も用意されている。写真はセミダブルベッドを3組並べたトリプルルームの室内風景。家族連れやグループでも快適に使用できるようゆったりとした寝室空間となっている。また、和洋室は、やすらぎの「和」とモダンで快適な「洋」が融合した空間。京都を訪れる観光客をはじめとするゲストの多彩なニーズに応えるため、限られたスペースを有効に活用する工夫が各所になされている。
さらに館内には宿泊者専用の朝食ベーカリーカフェが整備され、毎朝、専用のオーブンで焼き上げられたパンが無料で提供されている。
ビジネスホテルでもシティーホテルでもない、第三のホテルともいうべき「宿泊特化型ホテル」。観光都市・京都において、今後発展を遂げていくであろう、その新しいスタイルの最先端事例に触れることのできた素敵な空間体験となった。