ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。
きょうと空間創生術 [202]
先日、京都市右京区山ノ内に新しく「京都学園大学 京都太秦キャンパス」が完工した。天神川御池交差点南西にある「旧山ノ内浄水場」跡地、およそ180メートル四方、約3.3ヘクタールの敷地に3学部6学科の開学が、4月から予定されている。
「京都太秦キャンパス」の基本理念は「地域に開かれ、地域に溶け込み、地域と協働する知の拠点になる」。オープンなキャンパスと、そこから広がるコミニケーション。京都の街や文化に学び、実践的職業人を育てる多彩なカリキュラムが予定されている。
新しいキャンパスは、街と一体化する開放的な空間を実現している。学生たちがあらゆる人と交流を深めて知的発見を重ねるなかで、社会人・職業人としての成長を導くという教育的なねらいと、蓄積した知的資源を地域にも還元したいという大学の思いがかたちにあらわされている。環境という観点からも、中庭や御池通り沿いには豊かな緑が計画され、敷地の南側には日本みつばちの蜜源のためにクローバー広場も整備されている。
キャンパス内には老舗洋食店スエヒロをルーツに持つカフェテリア=写真=やコンビニエンスストアも設けられ、地域に愛される施設を目指すと共に、3階にある500人収容の「みらいホール(大講義堂)」は授業の他にも各種講演会等にも使用される予定となっている。
新しく誕生する、「京都学園大学 京都太秦キャンパス」の開放的な空間。そこで生まれる新たな出会いや発見が、今後の京都の更なる発展を生み出す活力となることを予見させる新キャンパスの完成であった。