ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。
きょうと空間創生術 [201]
先日、京都市景観政策課よりうれしい知らせが届けられた。2014年度より、新しく新設された「京都景観賞建築部門」において、私たちが設計させていただいた店舗付住宅「ArtSpace-MEISEI」=写真=が優れたデザインの建築物として奨励賞を受賞したというのである。
12年度より、新しく創設された「京都景観賞」。50年後、100年後にも評価される景観の形成を目指して、伝統文化の継承と新たな創造が調和する創意工夫にあふれた景観づくりを顕彰することにより、市民や事業者等の景観に対する意識を更に深めるとともに、都市の価値や魅力といった付加価値を高める景観づくりを促進することをその目的として、創設されている。13年度までは、「屋外広告物部門」のみの実施であったが、14年度より、京都の景観と調和し、更に創造的な視点が加えられた優れた建築物の表彰を目的として、「建築部門」が新しく設置されることとなった。
「ArtSpace-MEISEI」は、上品な茶道具や美術店が立ち並び、雅(みやび)の文化の香りをはぐくむ京都寺町かいわいに位置している。西国19番札所である行願寺革堂(通称こうどうさん)にほど近い寺町通沿いに建設された、鉄筋コンクリート造り地上3階建ての店舗付住宅。杉板模様のコンクリート打ち放し壁と、「和」を象徴する格子をリズミカルに繰り返しながら外観を形成し、伝統美を感じさせながらも現代和の構築。端正なたたずまいを感じさせながらも、周囲の町並みとの調和が図られた外観デザインとなるよう心がけた。
今回の受賞をきっかけに、これからの京都における新しい景観形成の可能性が広がれば、うれしく思う。