伝統と現代の融合する京町家
先日、京都市上京区西陣にある、「HOSOO KYOTO」を訪れる機会にめぐまれた。伝統的な京町家を現代的に改装して上質な空間へと変貌させた、「HOSOO KYOTO」のショールーム。西陣織の老舗「細尾」が、京都から世界に発信するコンセプトストアとして、さまざまな商品が歴史ある京町家内に展示されている。
元禄年間(1688年)に西陣の地で大寺院御用達の織屋として創業した「細尾」は今年で創業325年を迎える西陣織の老舗。現在では西陣織の帯ときものをはじめ、人間国宝作家の格調高い作品、世界へ発信する革新的なファブリックの開発にも積極的に取り組んでいる。その「細尾」の”今”を象徴するコンセプトストアが、「HOSOO KYOTO」であり、海外ブランドや日本のデザイナーなどとの協働によって、バッグや化粧ポーチをはじめ、クッション、テーブルランナー、チェアなどのインテリア小物などを開発・展示している。「コンテンポラリーNISHIJIN」をテーマに、上質なライフスタイルを世界へ提案するためのショールームとなっている。
写真は、座敷を改装した家具の展示スペース。上海を拠点に活動する「Stellar Works(ステラワークス)」の家具が展示されている。2012年の上海国際家具展示会でデビュー、日本・中国・フランス・デンマークなどのデザイナーや職人の力を結集して新しい家具づくりに臨んでいる現在注目されているの家具ブランドである。障子越しの淡い光と影が美しいコントラストを見せる畳敷の空間に、静ひつの空間が演出されている。
伝統と現代、京都の技術の粋とヨーロッパのデザインが見事に融合した、「HOSOO KYOTO」のショールーム。西陣散策のひとときに是非訪れていただきたい京町家空間である。
|