毎日新聞 2011年6月24日号


きょうと空間創生術きょうと空間創生術
 

新しくなる京都府立総合資料館きょうと空間創生術

 写真は京都市左京区にある「京都府立総合資料館」。周辺には、京都コンサートホールや植物園・京都府立大学といった多くの文化教育施設が集積し、図書館・公文書館・博物館の機能を兼ね備えた総合文化施設として、広く人々に親しまれている。

 総合資料館の開館は、1963(昭和38)年のことであり、当時岡崎にあった府立図書館の蔵書21万冊のうち18万冊を引き継ぐ形でスタートしたその蔵書数は、現在では約32万冊にもなっている。その他にも館内には、「東寺百合文書」をはじめとした寺社・旧家伝来の古文書や、行政資料、美術工芸品、民俗資料などの実物資料などが多数収蔵されている。

 そんな、「府立総合資料館」も48年が経過し、建物の老朽化が進んでいることや、多様化する府民ニーズへの的確な対応が求められていることなどから、その再整備が計画されている。

 先日、府は新総合資料館(仮称)公募型設計競技の概要を発表した。一般的に設計コンペと呼ばれている方式で、その再整備についての提案を広く募集するものである。資料によると、京都コンサートホールの南側にある、下鴨西通に面した府立大学の農場部分に、現在の約2倍弱にあたる、2万4000㎡の新総合資料館を建設し、府立大学付属図書館の蔵書約40万冊と併せて、府立大学との機能連携を図る。更に、新しく「国際京都学センター」を併設し、並木道のプロムナード等も将来整備する予定となっている。

 完成予定は14年度。新しい文化・環境・学術の国際的な交流発信拠点の創生にむけて,今から楽しみなプロジェクトである。
 

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