国際観光都市への新視点
1200年の歴史を今に伝える観光都市「京都」。世界中の人々に日本の伝統・工
芸・文化を伝える情報発信基地として、「京都クラフトマート」が10月17日新・都ホテル地下1階にオープンした。
近年、京都の新しい玄関口として注目を集める「京都駅八条口」。大型複合商業施設の建設もすすみ、先日も近鉄名店街が「みやこみち」としてリニューアルオープンをしたばかりでもある。なかでも、宿泊施設の中核部門を担い、関西最大級の客室数986室を有する「新・都ホテル」は、外国人観光客をはじめとして、連日多くの利用客で賑わいをみせている。
そんな新・都ホテルの地階に“京情緒”あふれる新しいショッピングモールを計画するにあたっては、従来のホテルストアにありがちなガラス貼りの閉鎖的な店舗ではなく、気軽に立ち寄ることのできる、親しみやすい和の店舗空間であることが求められた。視覚的な障壁をなくし、スポット照明を宝石箱のようにちりばめた華やぎのある開放的な空間には、京で育まれた匠の技を今に伝える伝統工芸品をはじめ、多彩な京都の逸品が取り揃えられてる。匂い袋や京こま・七味の製作体験教室も併設され、利用客へのサービス向上も図られている。
今回は”観光コンビニ”という概念を店内に構築することにより、新しい視点からのアプローチを行っている。外国人観光客の目線に立って、”海外からみた和”というものを再定義してみると、新たな京都の魅力を発見することとなる。今までの概念を払拭し、“京の伝統文化”のこれからのあり方をグローバルに目指した「京都クラフトマート」。国際観光都市「京都」のこれからのありかたを導く、一つの応答事例となれば幸いである。
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