公共空間を市民空間に
97年に開業し、今年で開業11年目を迎える、京都市の第3セク ター「京都御池地下街」が運営する地下街「ゼスト御池」=写真。京都市役所前を中心に河原町通りから御幸町通まで広がるこの地下街は、延べ4500m2、50店舗のモールからなる。開業当初にあった、紀伊国屋書店・サンリオといった旗艦店も今はその姿を消し、現在は新しい地下街のあり方を模索しながら、その再活性化に取 り組んでいる。
10億円の累積赤字を抱える京都市が、経営改善に向けた抜本的な改革に取り組む ため,昨年6月異例の社長公募を行ったのは記憶に新しいところである。21才から75才までの応募者190人の中から選ばれた辻田光氏(62)は、サッポロホールディングスグループ執行役員等を歴任された人物であり、その経験手腕を生かして、現在「ゼスト御池」の改革に積極的に取り組んでおられる。地下鉄東西線の駅に直結し、河原町御池という絶好のロケーションにある、広大な地下空間内部には、地下街おいては珍しく、河原町広場を中心とする4つの広場が整備され、子供達の多い御所南地域の近くにあって、全天候型の安心空間としてその活用方法が模索されている。
10月4日には、地上の御池シンボルロード(鴨川〜堀川通間)において「御池フェスタ2008」が開催され、その協働企画として地下空間の「ゼスト御池」では「ぼくらの遊び基地」〜俺も昔はガキだった〜が開催される。主催は三条通の夜間ライ トアップ企画「三条あかり景色」で知られる民間市民団体「楽洛まちぶら会」 と”文化は人が創る”がコンセプトの「IWF」。”まちを楽しくブランド化”するという意味から名付けられた「楽洛まちぶら会」によって、今回、子供達による段ボール基地等の作成が企画されている。公共空間をより魅力ある市民空間に再構築する試みが、今、市民の手によってようやく行われていこうとしているのである。
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