毎日新聞 2007年10月12日号 |
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「産寧坂と明保野亭」![]() そんな産寧坂の中腹にある、料亭「明保野亭」。産寧坂伝統的建造物群保存地区のなかにあって、ひときわ目を引く建造物である。昭和51年に、国の文化財保護法に基づき制定された、通称「伝建地区」と呼ばれる伝統的建造物群保存地区。風致地区より規制が厳しいこの地域においては、建造物のデザインについて細かく規定されている。その類型をみても「むしこ造り」「町家土間店舗」「変形町家飾窓付店舗」等14類型にも分類され、門・塀・垣についても細かい基準が設けられている。だが、ここで、先日施行された新景観条例との関連を考えたとき、一つの拠り所がここにあるといえるのではないだろうか。未来の京都を考えるときにあたり、過去の叡智に学ぶべき部分は多いと思うのである。 料亭「明保野亭」は幕末には倒幕の志士による集会にも多く利用されており、坂本竜馬の常宿の1つであったといわれている。土佐藩家老息女・田鶴と竜馬が密会した場所としても有名である。しかしながら、竜馬とは身分違いのため、悲恋に終わることとなる。そんな逢瀬を重ねる幕末のロマンに思いを馳せながら、46段の石段を歩いてみるのも京都再発見の楽しみではなかろうか。 |
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