毎日新聞 2007年07月27日号 |
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「京都の近代を飾った赤レンガ」![]() 私自身が、「赤レンガ」の建築と出会うことなったのは、今から24年前の中学1年生の時であった。同志社大学構内にあるチャペルと呼ばれる礼拝堂。DCグリーン設計による明治19年の献堂(竣工)のレンガ造1階建ての建物である。それまで、町家に囲まれてきた私にとって「赤レンガ」建築との出会いは実に新鮮でありその感動は今でも鮮明に覚えている。美しいステンドグラスの光のなかで、毎朝、礼拝をした記憶は今でもいい思い出である。当時は、建築様式のことなど知る由もないが、今から思うと、プロテスタントの礼拝堂にふさわしい、簡素な単身廊でありながら、鋏小屋組みの美しい内部空間が印象的であった。また、いわゆるイギリス積という積み方で積まれた赤レンガの外壁は独特の縞模様をつくり出し、木枠のバラ窓と相まって外観に彩りを添えていた。 そんな京都の「赤レンガ」建築の一つ、烏丸蛸薬師角にある旧北國銀行京都支店が先日改装され、カフェやリラクゼーション施設を備えた商業施設としてリニューアルオープンした。赤レンガに白い帯石の入った外観が特徴の旧北國銀行京都支店は、東京駅や京都文化博物館別館も設計した、建築家辰野金吾の設計。旧銀行のロビー空間をカフェに改装した空間は実に開放的。京都の「赤レンガ」建築からはそんな、文明開化のロマンが感じられる。 |
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