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古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン

ローバーが設計した「宮崎飫肥 合屋邸」が「古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン」に掲載されました。

古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン 古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン

Loding 武家の長屋門が貸し切り宿に変貌

宮崎飫肥 合屋邸

【ポストヘリテージ:継承と次世代に紡ぐための変容】

古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン 古民家は日本の生活文化、いわゆる「暮らしぶり」が最も濃縮された空間の一つです。今回の計画では、柱や梁、天井など、かつての情景を伝えるものを極力生かし、キッチンやトイレ、風呂やベッドルーム等の滞在に密接に関わる空間は、現代の人達が心地良く利用できる空間にしたいと考えました。

そこで全体コンセプトを「ポストヘリテージ:継承と次世代に紡ぐための変容」とし、紡ぐべきポイントと刷新すべきポイントを明確化することで、文化を繋ぐ新たな在り方を試みています。施設の道具選定についても同一の観点で伝統技法のみにこだわらず、様々なアプローチで日本を紡いでいるもので構成しました。結果として、本施設は訪日外国人観光客のお客様には日本に興味を持つきっかけに、国内観光のお客様には日本を誇りに思ってもらえる「地域ならではの体験」を提供できていると考えています。

古民家・文化財建造物再生プロジェクトデザイン また、内装デザインで大切にしたことは、「街の歴史や伝統を体験するためのハブ」として、開かれた使い方や様々なシーンを許容するプランニング、そしてこれまでの時間の流れに緩やかに溶け込んでいく、利用者の内面に語りかける空間の在り方です。通りに面する既存建物の配置や、土間、おくどさんの設えなどを生かし、エントランスから土間、ダイニングが一体的に感じられるよう、西側をオープンな広間に一新。既存の小屋組みをダイナミックに見せる空間構成とした、街のイベントや祝祭行事が、通りを介してこの空間に、また利用者の内面に入り込み、浸透することで新たな歴史を紡いていくことを願っています。

乃村工藝社 空間プロデュース 山野 恭稔/デザイン 敷坂 幸生