ローバーが設計した「料理屋 まえかわ」がMeets Regional(ミーツ・リージョナル別冊)うまい本 2021に掲載されました。
2020年6月OPEN
レジェンド店で磨いた、粋と華が、力強く開花。
カウンターでのキビキビした仕事姿、話術の冴えも凛々しい主人・前川浩一さん。それもそのはず。独立までのべ13年間、当世京料理の名門[祇園さゝ木]で二番手まで務めた腕前の持ち主なのだ。「京都の型にとらわれすぎず、やりたいことを」と展開する料理は、例えば夏の先付けがトマトエキスのかき氷、シメの食事がハモフライ定食という爽快な自由度と作品性。さらに写真の鮑料理は、一度柔らかく煮含めた鮑の表面を軽く焦がすほどソテーし、素材から未知の香ばしさを鮮烈に引き出したり…。サンマとイチジクを美しく並べた前菜の器は竹炭のもなかで、器ごとサクッと楽しめたり…と、料理はまさに胸躍るファンタジーの連続。もちろんその全ては、熟成利尻昆布を贅沢すぎるほど使って取り、目覚ましく旨み濃密な一番ダシほか、傑出した料理人としての技術の賜物。三十代の店主ゆえの、火花が散るような勢いとエネルギー感がみなぎる料理の数々。新レジェンド化は目前だ。
右、鮑と冬瓜の薄葛鍋。旨みの波動と力強さが、強烈に長く胸に焼き付く。左、甘鯛とナスの煮物椀。豊潤至極な旨みの特上利尻昆布の一番ダシ汁に、さらに甘鯛ダシを合わせ、目もくらむインパクトあるおいしさに。
18:30一斉スタート
予算/コースのみ。夜コース15,000円(税抜)のみ
日曜休&第2・4月曜休&不定休
■店舗情報
京都市下京区西木屋町通松原下ル難波町405
カウンター10席、個室1室(3~8名)
カード不可
喫煙不可 要予約
左から、「温度や食感の工夫なども含め、少しずつ自分の色を」と主人・前川さん。舟形の天井、マホガニーのカウンターで落ち着きも格別。西木屋町通りの一戸建てに、品格が漂う。個室は2階に。サンマ、イチジク、枝豆のピュレ。黒く細長い竹炭もなかの器に盛る。料理は全て15,000円(税抜)のコースより。