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京都新聞 2018年07月12日朝刊

京都新聞 2018年07月12日朝刊

老舗・松栄堂が「薫習館」オープン

和の香り 体感して学習(中京)

 香老舗の松栄堂(京都市中京区)が11日、和の香りを体験できる施設「薫習館」を京都本店の隣接地(同区烏丸通二条上ル)にオープンさせた。貴重な天然香料をかいだり、香の製造過程を学んだりできる。

 薬問屋の中川安(現・アルフレッサの前身の一つ)が1959年に建設したビルを取得。元の外観を生かしながら、1、2階を体験施設、5階をホールにそれぞれ改装した。3、4階はオフィスとして活用している。

 1階約445平方メートルでは、容器に入った麝香や桂皮など5種類の原材料の香りを体感したり、天井からつるされた箱に頭を入れて温めた香りを楽しんだりできる。百年ほど昔の線香の製造工程も模型で学べる。ギャラリーも設けている。

 2階は20席分の椅子とテーブルを備えており、茶道や香道の体験などのイベントを催す。年内のオープンを目指す美術品などの展示室もある。5階は面積130平方メートルのホールで、講演やイベントなどの交流の場として活用する。

 本店1階も面積を1.7倍の約160平方メートルに拡大。製造工程の実演などを行うスペースを設けたほか、薫習館とつないで直接移動できるようにした。

 畑正高社長は「和の香りのワンダーランドができた。香りに五感が出合ってほしい」と話した。1階の体験施設は午前10時~午後5時(不定休)。無料で利用できる。

(写真左)約60年前に建ったビルを改装してオープンさせた薫習館(京都市中京区)
(写真右)薫習館の1階では特注の設備で香りを体感できる