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ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
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毎日新聞 2016年04月22日号

毎日新聞 2016年04月22日号
 

きょうと空間創生術 [229]

「飛弾の小京都にある伝建地区」

毎日新聞 2016年04月22日号 岐阜県北部の盆地に広がる高山市は、古代より飛騨地方の中心地として栄えてきた歴史のある町である。先日、そんな飛弾高山にある、「三町(さんまち)伝統的建造物群保存地区」を訪れる機会に恵まれた=写真。

高山は商業経済を重視して建造された城下町であり、元禄以降は幕府直轄地(天領)として、旦那衆と呼ばれる商人を中心に発展を遂げた。明治初期にあっても豪商を中心として栄え、人口1万4000人、岐阜県内1番の都市であった。しかしながら、都市化は他の地区より大幅に遅れ、1934(昭和9)年の高山線開通を機にようやく高山の近代化が始まることとなる。

その後も、その古い町並みは美しく保存され、「上三之町」「上二之町」「上一之町」の三町が合わせて「三町伝統的建造物群保存地区」に指定されたのは、 1979(昭和54)年のことである。更には、江戸時代に徳川幕府の代官・郡代が政治を司った役所である「高山陣屋」もあり、各地に66カ所あった郡代陣屋、代官所のうち、現存するものとしては全国唯一となっている。現在でも、多くの観光客が訪れ、魅力ある町並みの情緒は地域住民の努力によって美しく保たれ続けている。

現在、京都市においても五つの「伝統的建造物群保存地区」が存在している。(産寧坂・祇園新橋・嵯峨鳥居本・上賀茂・石塀小路)。それぞれ、京都の特色ある歴史的な町並みを残しながら、その保全が図られている。

豪華絢爛(けんらん)な高山祭りや町家造りの商家、伝統工芸の数々など、現代まで残る華やかな町人文化を今にうまく伝え、地域の産業に活用する。「飛弾の小京都」における伝建地区の取り組みを知るにつれ、京都における伝建地区のありかたを深く考えることとなった春のひとときであった。

 
(株)ローバー都市建築事務所


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