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さあ、前に進もう!



トップが綴る さあ、前に進もう!
―私が励まされたひと言

トップが綴る さあ、前に進もう! ―私が励まされたひと言

 

(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役 野村 正樹

「人生の節目には人が立つ」

 29才のときに建築設計事務所を開設してから、今年で13年を迎える。思い起こせば、ここまで来れたのも、18才の時に父からきいた一言のことばが、きっかけであった。

「人生の、節目、節目には人が立つ」。人生においてこれから訪れるであろう、数々の節目に置いては、かならずその実現を影でささえてくれている人物の存在があるというはなしを、当時、高校生であった私は一度だけ聞かされたことがあった。

人生の節目において、物事を進めようとするとき、自分以外の人の存在・協力が感じられない場合は、時期尚早であるから、じっくりと機が熟すのを待つようにということである。聞かされた当時は、「あぁ、そんなものなのかな」という感じでしか捉えていなかったのであるが、年を重ねるにつれ、その言葉の持つ意味を大きく感じ始めている。経営においても、仕事においても、自分個人の能力でできることはたかが知れている。家族・友人・お客様・社員といったさまざま人々の協力がなくては、生きることさえままならない。そういった、人さまに支えていただいているという感謝の念を常に持ちながら、毎日を過ごすことによって、今まで数々の困難にも、折れることなく、あきらめずに頑張って来れたのだと感じている。

また、幼少の頃より、母親が口癖のように私に聞かせていた言葉。「金持ちより人持ちになりなさい」。数多くの友人をつくり、信頼できるパートナーを見つけることこそが、人生において最も大切なことであり、幸せに生きるために大事なことなのだという。事実、現在も母親は69才であるが、多くの友人達と楽しい時間を過ごし、いろいろな人達とのおしゃべりを聞きながら、日々、陽気な毎日を送っている。かくいう、私も、さまざま人々学生時代から分け隔てなく、お付き合いをすることによって、様々な見識を広めることができ、公私を問わず、本当に多くの人々に助けて頂きながらここまで来させて頂いた。

 奇しくも両親から教えてもらった、「人」の存在の大切さ。自分自身の存在を小さなものだと考え、人を大切に思う心を持ち続ける。こうして、今日まで過ごしてこれたのも、まさしく数多くの「人」の存在があったからに違いないと、今、現在も確信している。

■PROFILE
ローバー都市建築事務所 一級建築士事務所
野村正樹(のむら・まさき)
1970年京都市生まれ。同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。株式会社NEO建築事務所を経て、2000年に「ROVER ARCHITECTS」設立。その後、インテリアコーディネーター取得。京都工芸繊維大学大学院建築設計学博士前期課程修了。京都造形芸術大学建築デザイン非常勤講師。150件以上の町家再生を手がける。