春から工事を進めてきたKH様古民家改修工事は無事に仕上がり、お引渡しを終えました。
KHさんには、猛暑の中、現場での打ち合わせに何度も参加いただき感謝しかありませんが、
そのおかげで工期も遅れることなくチーム一丸となってより良い住まいができたと思います。
そして緊張感を持ちつつも楽しく進められたのはKHさんの人柄さまさまです。
こだわりポイントを少しだけ紹介しますが、KHさんの古民家には立派なお庭があるため、
その眺めを目一杯楽しめるよう木製建具によるシンプルな開口部を目指しました。
ただし、緑が豊かな場所には虫も多くなるため、以前はなかった網戸が必須ということでした。
網戸も最近のものはかなり目立たなくはなりましたが、
以前はなかったものが窓の片側に常に存在するのはやはり気になるため、
今回は普段閉まっておけるプリーツ網戸を基本的に採用しています。
例えば庭のおかげで道路から覗かれることのない玄関は透明ガラスの格子戸とし、
奥にあるダイニングから玄関越しに庭まで視線が抜けるようになっていますが、
開けているとすごくいい風が抜けていくので、室内側にプリーツ網戸を隠しています。
(写真だと分かりづらいかもしれませんが、2枚目の写真はプリーツ網戸を閉めたところです)
プリーツ網戸は片側に仕舞っておけるだけのスペースがあればとても使い勝手の良い網戸ですが、
木枠に隠そうとすると枠の見附が大きくなってしまうことと、
プリーツという構造上、網戸をしているときは通常の網戸より目立つ
(特に斜めからみると)といった性質があります。
和室に面した一番眺めの良い縁側は、木枠とガラスしか見えないシンプルな開口部としつつ、
網戸があってもなくても景色を楽しめるようにしたかったのですが、
プリーツ網戸を木枠に仕込むと上記の2点が解決できませんでした。
縁側の工事が迫る中、皆でアイデアを出し合い、
上部から下してくるロール網戸であればその2点も解決できそうだと分かり、
急いでサンプルを借りるが埋め込み対応の商品がないという・・・
それでもサンプルや図面をもとに現場で相談する中で、
メンテンナンスができるよう取り外しができる納まりとすることで
限りなく埋め込みに近い形にまで突き詰められました。
写真の1枚目は窓を閉めているところで、2枚目は窓を開けてロール網戸を閉めているところですが、
足元にあるロール網戸の框がなければ気づかないくらいうまく納まったと思います。
毎度ですが、現場に行けなくなるのは寂しいですね~
KHさんありがとうございました。