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京町家等に係る法規制の合理化に関する調査研究業務提案(京都市公募型プロポーザル)

2階ホール全景 既存軸組の繊細な美しさをモダンに表現した大空間
 

京町家を保全・活用するにあたって,問題となる現行法規(建築基準法)の課題

今まで、数多くの京町家を保全・活用を行い、感じてきたことは、まさに現行法規 (建築基準法)との戦いの連続であった。数を挙げれば枚挙にいとまがない。裏のトイレが老朽化してきたので、建て替えたい。小規模の町家のため、改築面積は全体の1/20以上。現行法では改築にあたるため、既存母屋の道路後退・軒裏不燃・防火サッシの取り替えが要求される。古くて汚いトイレを新しくしたいだけなのに、どうしてそこまで要求されるのか?一般の人々にとっては、この理屈(公共の福祉の増進に資すること)を理解してもらうことは到底不可能であり、ごく当たり前の感覚なのである。路地奥の建て替え問題(接道義務違反)に関しても、然り。今更、説明するまでもないが、白蟻に食われた、朽ちた家屋をだましだましリフォームしながら住んでいるのが、路地奥暮らしの住人たちの真の姿である。先日、京町家を老人施設に改修した。木造2階建て500m2超の京町家改修である。お年寄りに使いやすくしようと階段を緩くすることを試みた。6条2号建築物であるため、階段の架け替えについては、建築確認申請の対象となる。すべての現行法規をみたすことが絶対条件であり、そのうえで初めて階段を緩くすることが許可されるのである。結局、適法状態とするため、既存の階段のうえから、緩い階段をカバーのようにかぶせる改修方法を行った。机上の空論や文献では、計り知れない現行法規の諸問題が、京町家には存在する。そしてそこにあるのは、お年寄りの暮らしに象徴される、だれもが普通に幸せな生活を営む権利である。現行法規に適合しないリフォームを行った京町家には、検査済証が発行されず、結果としてどんどんアングラ(違法)な建築行為が繰り返されていく。事実、路地奥の市民は、違法行為と知りながら泣く泣く、後ろめたい気持ちで京町家に居住していくのである。赤信号をきちんと守り、シートベルトも着用している、真面目で善良な市民がである。そのことを本当に理解してもらいたい。京町家再生を単なる建築基準法の問題であると考えていること自体が、問題である。大所高所から物事を図り、市民目線に立った、市民の暮らしを考えた、市民の財布を考えた京町家の保存再生ととらえなければ京町家の未来はないと思うのである。あなたが自分の家をリフォームするときに、限界耐力設計費用80万円払いますか?200万円の工事費ですよ。法の執行官はこういいます「限界耐力計算すれば可能ですよ」と。京都市民はどう感じているのでしょうか。



京町家を保全・活用するにあたって,問題となる課題に対する解決手法及び独創的なアイデア

「廃県置藩」制度

廃藩置県(はいはんちけん)とは明治維新期の明治4年7月14日(1871年8月29日)に、明治政府がそれまでの藩を廃止して地方統治を中央管下の府と県に一元化した行政改革である。即ち中央集権を確立して国家財政の安定を目的としたものである。以前の「藩」時代においては、地方分権が行われ、各地域の実状に即した地方統治が行われていたことは今更説明するまでもない。本提案においては、京都独自の住環境ならびに文化・風土を現実的に再検証し、全国一律に執り行われている現行建築基準法他、各種法規の改善を図ることをその主目的とする。雪深い地域にある、世界遺産「白川郷」。そのような民家と同列に考えられている京町家、ひいては現在の都市型住宅である劣悪な建て売り住宅と京町家の整合を図ること自体、到底無理な話であり、強く地域立法、地域建築行政の自治を認めてもらうべきだと考えるのである。品確法の耐震等級3が一体なにの意味があるのか?ハウスメーカーの物差しで京町家を測っても意味がない。等級1の京町家が既に150年間使用されている現実が1200年の歴史都市京都には存在する。



法学部卒業の一級建築士

私自身、1993年に同志社大学の法学部法律学科を卒業している。自由な校風のもと、現行各種法規に関する、基礎的思考を学び、その後、京都工芸繊維大学大学院にて建築設計学を専攻し博士前期課程を修了したという、異色の経歴をもつ。一級建築士試験についても、独学で一回で合格を果たし、特に法規の点数は25点満点中24点を取得している。他にも、宅地建物取引主任者も取得し、現在、不動産仲介・資産活用といった不動産実務も設計と並行し業として行っている。特筆すべきは、同志社大学時代に築き上げた、弁護士・裁判官関係のネットワークであり、法規に関する前衛的研究は、2005年に自ら設立した、有限責任事業組合CRA(総合法律研究会)を中心に、日々の趣味ともいえるレベルで研鑽を重ねている。弁護士5名を中心に公認会計士・不動産鑑定士・税理士・司法書士・土地家屋調査士・社会保険労務士・弁理士、そして一級建築士で構成される本研究会は、法改正のトレンドを常に先んじて研究している。むろん都市計画法・建築基準法等もその対象ではあるが、法規スキームを横断的かつ柔軟に捉え、包括的に規制緩和を捉えていくことが、すなわち本提案の要諦となると考えているものである。



「京町家等に係る法規制の合理化に関する調査研究業務」報告書(案)とりまとめに向けての基本的な考え方

100件を超える京町家再生に携わった、今までの経験や失敗を生かし、現場の実状・居住者の声を生で活かした、問題点・改善点にフォーカスを当て、調査研究業務を行う。今までの、形式にこだわった報告書では京町家の未来はないと考えるからである。現場の実状を深く理解し、市民の暮らし・市民の財布・市民の幸福をその調査研究理念に高く掲げ、構築しなければ意味のない、実体とは乖離したものになると考えている。具体的には、現行の法制度の中で、法規スキームを包括的に捉え、実現可能なレベルでの法規制の合理化を図ることをその第一義とする。その上で、現行法規のあるべき姿、改善すべき点、地域行政のあり方について、考察を行い、机上の空論ではない、真の意味での「公共の福祉の増進に資する」提案を行っていきたいと考えるものである。事例については、過去の膨大かつ具体的な事例を数多く取り入れながら、写真や図解入りで分かりやすく作成するように努め、机上においても京町家の抱える問題点の現状を、認識していただけるような報告書の作成を行う。また、これまで、高等裁判所控訴審レベルの建築訴訟鑑定書作成受託業務のノウハウも活かし、幅広い法曹関係者の協力を得ながら、法制度のこれからのあり方、並びに法規制の合理化を明確かつ理論立てて提案していきたいと考えるものである。以上、絵に描いた餅ではなく、真に京町家の保全・活用について現場の実状に即した、レベルの高い京都らしい提案を行っていきたいと真剣に考えるものである。

2階ホール対景 書院や床の間を文机に転用

改修前2階ホール お化け屋敷のような座域

2階ホール収納 平格子古建具を転用再生

改装後en空間 自然光を雪見障子で取り入れる

改修前縁側 ほこりまみれの陰湿な縁側

1階座敷 座抜けの視線を意識した空間再構築

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