Published 〜メディア掲載情報〜

ローバー都市建築事務所の設計物件や、弊社代表の野村正樹が執筆するコラムなど、
雑誌や新聞に掲載されている情報のご紹介をいたします。

YUCARI vol.19「特集 美しき日本の家」

YUCARI vol.19表紙上京区浄福寺 OG京町家

style2 京町家の造りを存分に残しながら、快適に暮らせる家にアレンジ。

小川昌敏さん・美保子さん
京都市

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上/キッチンの背面にあるカウンターでコーヒーを入れる小川さんご夫妻。障子をフルオープンにすると、「みせの間」までつながる広いワンルームとなる。下/2階のセカンドリビング。天井を抜いて梁を露出させた。梁に巻いた麻袋は、ネコの爪研ぎ用。

 

町家らしい通り庭をそのまま残し、次の世代へ住み継ぎたい。

 
上京区浄福寺 OG京町家

 京都への引っ越しをきっかけに、「いつか町家に住みたい」と漠然と考えていた希望を叶えた小川昌敏さん、美保子さんご夫妻。火袋と呼ばれる吹き抜けと、玄関から勝手口まで抜ける土間の通り庭に、おくどさんと呼ばれる竈、井戸、流しがそのまま残っている物件を見つけ、リフォームをしました。典型的な町家の様式がここまで現存している物件は、町家の多い京都でも減ってきているといいます。 「通り庭はそのままの形で残すことにしました。私たちが住むことで、次の世代に引き継いで、伝えられればと思っています。何十年後かにここに住む人が、面白いと思ってくれたらうれしいですね」(昌敏さん)

 玄関の脇には「みせの間」という4畳半のスペースがあり、その奥に3畳、4畳半の和室が続く。この「みせの間」もそのまま残し、奥の2間をつなげて対面式のキッチンとリビングとしています。さらに「みせの間」とキッチンの間には、新しく造った障子を設け、押入れの中に引き込んでフルオープンにできるようにしました。裏庭とリビングの間にある縁側の引戸も同様に。全て開け放てば、裏庭まで続く大空間にすることもできます。

縁側からリビングを見る。対面式のキッチンの手前に造作の食器棚を立ち上げ、手元を目隠し。北欧家具が町家の空間に似合う。

上京区浄福寺 OG京町家

「障子や引戸を閉めれば縁側やみせの間が空気の層になって、冬も暖かい。夏は開けて風を通す。町家の知恵ですね」(美保子さん)

 2階は階段を挟んで寝室とセカンドリビングがあります。寝室にあった床の間は扉を付けて、2匹のネコの部屋に。セカンドリビングの天井を抜いてロフトを造り、ネコが梁まで上れるようにしています。ネコにとっても立体的な動きを思う存分楽しめる空間なのです。

「主要な壁を残す、構造的に無理をしないなど、基本的なルールを守れば、町家は思いのほか自由に改修できる建物。2階の天井をなくし、小屋裏を現しにすることで、明るく開放的な空間を作ることもできます。町家の雰囲気を残しながら、現代の生活スタイルに合わせて、アレンジできることを知ってほしいです」

 とは、リフォームの設計を担当したローバー都市建築事務所の今井健雄さん。会話をしながら料理ができる対面式のキッチンを提案し、通り庭や2階の屋根に天窓を新設。上から光を落とす工夫を盛り込みました。

「町家のように年月を経た建物は、猫たちが楽しそうに遊びまわって、多少傷がついたとしても、それほど目立たず、むしろ味わいになる。これからも時間を重ねるごとに、良い空間になっていくのではないかと思っています」(昌敏さん)

上/玄関から続く土間の通り庭。小上がりを上がって「みせの間」へと続く。左/おくどさん、井戸、流しをそのまま残した通り庭。屋根に天窓を新設し、光の入る空間に。火袋の壁には竈を使っていた時代の煤が残っている。
右中/2階の階段横の通路にはステンドグラスの天窓が、階段に光を落とす。
右下/縁側からリビングへ続く猫専用の通路。おくどさんの焚口の蓋をドアのように利用。

西陣織の工房が多いエリアの路地奥にある2階建ての長屋形式。この辺りの町家は、西陣織の職人のための住宅だったという。

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(株)ローバー都市建築事務所


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