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毎日新聞 2014年12月04日号

ローバー都市建築事務所代表の野村正樹が執筆するコラム「きょうと空間創生術」の紹介です。

毎日新聞 2014年12月04日号
 

きょうと空間創生術 [196]

アートが彩る、旅の愉しみ

毎日新聞 2014年12月04日号 先日、京都市中京区河原町三条上ルにある「ホテル グラン・エムズ京都」を訪れる機会に恵まれた。今秋に新しく開業した地上9階建て、総客室数119室を持つ都心型デザイナーズホテルである。1982年完成、築32年のビジネスホテルを全面リニューアルして、新しくなったそのホテル空間は、従前のイメージを一新する上質なデザインで統一されている。

 「デザインと快適性の融合」をひとつのコンセプトにした館内は、色彩豊かに彩られた版画や絵画が随所に展示され、家具や調度品の細部に至るまで、芸術性あふれる魅力的かつ心地よい宿泊空間が演出されている。

 館内のアートディレクションは、京都出身の銅版画家「舟田潤子」。京都精華大学芸術学部を卒業後、数々の海外での留学経験や創作活動を生かし、感性豊かな作品を次々と創り出している、新進気鋭の若手芸術家によるものである。写真は1階にある、エントランスロビースペース。シンプルですっきりとした空間と舟田氏の温かみあふれる作品が創り上げる、そのスタイリッシュな演出は、現代的でありながらもぬくもりを感じさせる洗練されたインテリアとなっている。

 「ホテル グラン・エムズ京都」は、宴会や会議・飲食といった余分な要素を排除し、ホテル本来の機能である宿泊部門のみを館内に計画していることも特徴的である。その結果、デザイン性と利便性を両立しながら、快適で上質な宿泊空間を生み出すことに成功していることも興味深い。

 今年の「ワールド・ベスト・アワード2014」の人気観光地ランキングでも世界1位を獲得した、歴史観光都市・京都。今後の美しいホテルのありかたを示すひとつの好事例となっている。

 
(株)ローバー都市建築事務所


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