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古民家スタイル


【 古民家スタイル9 2008-02-25 】



『海外から見た「和」をテーマに、上質な空間でくつろげる宿』



設計/ローバー都市建築事務所

レ 恵比寿「ヌフ・カフェ」をはじめ、東京で人気を集めるカフェを手掛けてきた武田康伸さんが、京都の町家を再生してオープンしたカフェ『レ・トワ・メゾン』。建築を担当したのは京都で数多くの町家再生を手掛けてきたローバー都市建築事務所で、使用する材料はもちろん、色やテクスチャーなど細部に至るまで武田さんと相談しながらの再生となった。「自分で大工仕事もしますよ。ここは建築家の方とコラボレーションというかたちでつくっていきました。自分の感性や持ち味をいかしてつくれたと思います。でも“いい空間”というのは本当はお客さんがつくってくれるものなんですよ」と武田さん。

  そのカフェの2階で宿泊ができるようにしたのは、京都に来た人達がくつろげる場所をつくりたかったからだと武田さんは話す。「海外に行くと、日本文化について自分がまだよく知らないことに気づいたりしますよね。そういう意味で、日本文化を教えてくれる場所である京都に、若い世代の人が来た時、くつろげる場所をつくりたいと思ったんです。町家空間を体験することができれば、という思いで宿泊できるようにしました」。 宿泊できるようにするにあたり、武田さんがもっともこだわったのがベッドルーム。特にベッドに関しては「睡眠科学」の専門家であり、快眠コンサルタントの岩田有史さんのアドバイスのもとに寝具を選んだという。「寝具を最上級のものにすることはもちろん、ライティングの調光、温度、湿度に至るまで、細部に岩田さんのアイデアがいかされています」と武田さん。ベッドルームはもとは屋根裏で人が住む場所ではなかったが、断熱性を高め、まったく新しい空間として改修された。築80年、西陣織の機械を直す商売「機業店」であり、1階が仕事場、2階が住まいとして使用されていた町家を再生した『レ・トワ・メゾン』。古さと新しさの融合が新鮮な魅力となっている。

1 1階のカフェにはお座敷の席もあり。庭を眺めながらほっこりできるのがうれしい。
2 伝統的な西陣の町家を改装したカフェ『レ・トワ・メゾン』の2階を1日1客の宿として改修。
3 シンプルで洗練されたデザインのバスルーム。
  2階の屋根裏部分を改修したベッドルームから連なるスペースで、まったく新しい空間として生まれ変わった。



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「睡眠科学」にもとづいて設備を整えた寝室。このベッドで眠れば、ぐっすりと旅の疲れを癒せることうけあいだ。

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外国人が泊まることをイメージした日本らしさと快適さを併せもつ空間。
2階はすべて宿泊者のためのスペース。写真の和室のほかにもうひとつ和室とベッドルームがあり、ゆっくりとくつろぐことができる。改修は古きよきものを蜷りにし、それを感じられるようにプランニングされた。

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4 これまでカフェを手掛けてきたノウハウをいかした1階のカフェ空間。
5 通り庭をいかした1階のカフェ。通り庭上部は吹き抜けになっており、かつてのミセの間部分、通り庭、
  座敷とさまざまなシーンを楽しめるようになっている。
6 1階カフェの座敷スペース。
7 宿泊は素泊まりが基本。ランチや夕食は1階のカフェでもいただける。(宿泊者割引サービスあり)。
  写真は夜のメニューの中から、骨付き鴨もも肉のコンフィ(1250円)、自家製パテ3種盛り合わせ(980円)。
  豚肉のリエット・パン添え、香味野菜と鶏レバーのパテ、パテ・ド・カンパーニュ。
8 2階の和室は通り庭に面して開口が設けられている。