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自然素材がいっぱいの心地いい家(別冊PLUS1 LIVING PLUS1 HOUSING)

【自然素材がいっぱいの心地いい家】
(別冊PLUS1 LIVING PLUS1 HOUSING)


和のくつろぎ感にモダンテイストを加え、開放的な住まいに
吉田さん宅 京都府


1 京都に生まれ育った吉田さん夫妻。しっくりなじんで落ち着ける和テイストの家にしたいと意見が一致していました。一方、以前住んでいた家の天井が低くて暗かったため、「明るくて開放的な家に住みたい」との願いも切実だったそう。和と開放感という2つの希望をかなえたのがこの家です。

 玄関までの長いアプローチは、焼杉板の塀や玉砂利でしっとりした風情。玄関も一枚板のベンチを備えた、落ち着いた空間です。そこから室内に足を踏み入れたとたん、広がるのがダイナミックな吹き抜けのリビング。アプローチに面した窓からたっぷりの光が入り、鉄骨の階段や渡り廊下がモダンな意匠を加えています。白と茶色の濃淡で構成したリビングを、より印象的にしているのが2色の差し色です。

畳コーナーの壁は、さらした藍のようなブルー。セミオープンのキッチンは紅に近い赤。どちらも日本の伝統色を思わせます。床柱に北山杉、キッチンの壁や畳コーナーの天井は竹など、京都らしい素材も加え、落ち着いたなかにも主張が感じられる住まいになりました。

2 Natural Material たたき / *玉砂利洗い出し / ベンチ*カエデ

3 手前は勝手口、奥が玄関。焼杉板の塀のキワには白い玉砂利を敷き、リュウノヒゲを植えて和の風情を。(右上)外観は白と黒のコントラストをつけて、蔵のようなイメージに。(右下)周囲が立て込んだ地域のため、焼杉板の高めの塀で視線をカット。(左)
  板張りの天井に間接照明で、落ち着いた雰囲気の玄関に。玉砂利洗い出しのたたきや耳つき一枚板のベンチも趣が。




4 Natural Material
壁*珪藻土(P.124) 床/ *パーチ

5 アプローチに向けて大きな窓をとり、住宅密集地ながら開放感と明るさを獲得。鉄骨のフレームと踏み板のスケルトン階段や、イサム・ノグチの照明機具が視覚的なアクセントに。

7 Natural Material
天井*竹(P.117)/柱*北山杉(P.120)/塗料*漆床*畳(い草)(P.116)

6 リビング、ダイニング、畳コーナーをワンルームにし、キッチンはセミオープンに。キッチン前の壁にはあぶり竹風に塗装した竹をあしらっています。2階の渡り廊下が空間に変化をつけて。




8 寝室はフローリングとクロス壁にしてコストダウン。高低差をつけた天井とむき出しの梁が、空間に変化を与えます。

9 Planning Point 路地裏の狭小地という悪条件を克服し、開放感と豊かさを演出 「吉田邸が位置するのは、周囲を建物で囲まれた路地の奥。ここに圧迫感のない開放的な空間をつくることに工夫を凝らしました。」と設計者。アプローチは焼杉板の塀で周囲から視線を遮り、そちらに面して吹き抜け空間に。この吹き抜けを核にして、自然に家族のコミュニケーションがはかれるプランです。

 吹き抜けに面した壁は白を基調としたシンプルな仕上げなので、通常なら無機質で殺風景な空間になりがち。吉田さん宅では珪藻土を左官仕上げにしたことで、光がつくり出す陰影により、刻一刻と表情が変わります。さらに竹や北山杉で和の趣を出しつつ、鉄骨やポリカーボネートなどで軽快感が出ています。

10 data
家族構成・・・・夫婦 / 敷地面積・・・・188.13u(56.91坪) / 建築面積・・・・59.06u(16.96坪) / 延べ床面積・・・111.38u(33.69坪)1F 59.06u+2F 52.32u / 構造・工法・・・木造2階建て(軸組工法) / 工期・・・・・・2005年3月〜8月
設計・・・・・・(株)ローバー都市建築事務所 /施工・・・・・・(株)大石工務店

11 玉砂利洗い出しの床、カエデの耳つき一枚板のカウンター、木の装飾つきの照明器具など、和風旅館のような趣のトイレ。下駄もこだわって探しました。手洗いボウルはご主人の陶芸作品です