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はじめての家づくりNo.5


【 はじめての家づくり 】No.5

和風住宅の暮らし


御前YD邸が「はじめての家づくり」に掲載されました!
   
   

 京都に生まれ育った吉田さん夫妻にとって、しっくりなじんで落ち着けるのは和のテイスト。和を意識した家にしたいというのは、プラン当初からのお2人の一致した意見でした。一方、以前住んでいた家の天井が低くて暗かったため、「光のたっぷり入る、明るくて開放的な家に住みたい」という希望も切実だったそう。
 和と開放感という、2つの望みをかなえたのがこの新居です。設計は、京都の伝統を大切にしつつ、モダンな感覚も得意とする「ローバー都市建築事務所」に依頼。吹き抜けのリビングを中心とした、ダイナミックなプランが提案されました。玄関までの長いアプローチは、焼杉板の塀や玉砂利でしっとりとした風情。落ち着いた玄関から室内に足を踏み入れたとたん、空間の広がりと明るさに驚かされます。
  白と茶の濃淡で構成したリビングを、より印象的にしているのが2色の差し色。畳コーナーの壁の一面はさらした藍のようなブルー、セミオープンのキッチンは紅に近い赤。どちらも日本の伝統色を思わせます。壁は、光を受けて美しい質感をかもし出す珪藻土塗り。さらに床柱には北山杉、キッチンの壁や畳コーナーの天井には竹など京都らしい素材も加え、落ち着いたなかにも主張が感じられる住まいになりました。
  リビングやダイニングのテーブルは、友人の木工作家にオーダー。一枚板の力強さが空間にマッチしています。さらに彩りを添えているのが、ご夫妻の趣味です。アプローチの石灯籠やトイレの洗面ボウルなどは、ご主人が陶芸の腕を生かしてつくったもの。奥さまは好きなイタリアの小物をとり入れ、軽快感を出しています。
  「設計に1年以上もかけたおかげで、満足できる家ができました」とお2人。来客も「まったりできる」と長居をする人が多いそうです。

―設計者からのメッセージ―
路地奥の狭小地という悪条件を克服し、開放的で豊かさのある住まいに。
 周囲を建物で囲まれた路地の奥に位置する吉田邸は、圧迫感のない開放的な空間をつくることに焦点を当てました。アプローチは焼杉板の塀で周囲からの視線を遮り、そちらに面して吹き抜け空間を設置。この吹き抜けを核に家じゅうをつなぎ、自然に家族のコミュニケーションが形成されるプランです。
 珪藻土を用いた左官仕上げの壁に格子や梁、さらに竹や北山杉で和の趣を出しつつ、鉄骨やポリカーボネードなどの素材を使って軽快感も加えています。