CompanyRe-SpaceStyle-LifeStyle StoreWorksPublishedContact UsClient's commentQ&A
2012/09/28(Fri) 10:49:14

狩野派絵画を庭園にみる

 京都市右京区花園にある臨済宗妙心寺派大本山の寺院「妙心寺」。平安の時代よりこの地域には、四季折々に美しい花が咲く花畑が多くあり、いつしか、人々はこの地を「花園」と呼ぶようになった。建武4(1337)年、花園法皇が自らの離宮を、禅寺へと改めたのがその始まりであり、現在では、日本にある臨済宗寺院約6000カ寺のうち、約3400カ寺を妙心寺派が占めている。

 広大な敷地には46の塔頭寺院が立ち並び、「退蔵院」もそのひとつ。応永11(1404)年の創建以来、600年以上の歴史を持つ山内屈指の古刹である。山水画の始祖、如拙(じょせつ)による初期水墨画の代表作、国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」を所蔵することでも知られ、如拙の画風は、後に雪舟や狩野派の画家達に大きな影響を与えることとなる。

 退蔵院の境内には、大きく分けて二つの庭園があり、写真は枯山水庭園である「元信の庭」。重要文化財である方丈の西側に位置するこの庭園は、室町時代の画聖・狩野元信(狩野派)の作品である。国内にある多くの枯山水庭園が、著名な禅僧や造園家が作者であるのに対し、画家が作庭を行っていることは大変興味深い。50坪あまりの敷地の中で、水が滝より大海に流れ込むまでの様子を白砂によって表現している。築山の足下に蓬莱山石組を据えながら枯滝を配し、枯池には亀島、そしてこれに石橋をかけた奥行きのある表現は、独特の風格を備えている。有名な「龍安寺石庭」と比べると、画家らしく絵画的で曲線と常緑樹を主流とした優美な趣である。自分の描いた絵をもう一度立体的に表現しなおした、画家・狩野元信の最後の作品となっている。

(毎日新聞京都版 きょうと空間創生術143)

23_3b.jpg


2012/09/28(Fri) 10:49:14 | コラム | Trackbacks(0) | Comments(37)
2012/09/14(Fri) 16:21:38

和紙の持つ、現代的可能性

 京都市左京区にある南禅寺。正式名称は「太平興国南禅禅寺(たいへいこうこくなんぜんぜんじ)」といい、1291(正応4)年の開山以来、臨済宗南禅寺派大本山の寺院として、700年以上も、人々の信仰をあつめている。広大な境内には国宝である方丈を中心に、三門や数多くの別院・塔頭があり、更には、1890(明治23)年に古代ローマの水道橋を手本にレンガ造りで建造された「琵琶湖疎水 水路閣」も存在する。

 先日、そんな南禅寺の門前に京土産店を設計する機会に恵まれた。「観門亭」と名付けられた京土産店の内部には、伝統工芸品から食品に至るまで、さまざまな京都の銘品が数多く取りそろえられている。全国より南禅寺を訪れる観光客のために、ディスプレーにも工夫をこらし、雅(みやび)の世界を現代的に感じることのできるぬくもりのある空間が演出されている。

 端正な瓦ぶき平屋建ての外観から、一歩店内に足を踏み入れると、色鮮やかな数個の大きなペンダント照明が設置されている=写真。京和傘の伝統技術と構造を活かして開発されたこの照明は、和紙の持つ暖かさを現代的にデザインし、シンプルでやわらかな光を放っている。また、什器(じゅうき)ディスプレーには和紙である京唐紙を効果的に使用している。京唐紙のもつ独特のきらめきを間接照明やスポットライトで照らしだし、幻想的な空間の構築を目指した。

 色とりどりの、京土産を引き立たせるディスプレー計画が、京土産店には必要不可欠である。古都・京都の雅の世界を25坪の店内空間でいかに表現し、演出するか。和紙の持つ現代的可能性に触れながら、魅力的な店舗空間を実現することのできたプロジェクトであった。

(毎日新聞京都版 きょうと空間創生術142)

IMG_2000.jpg


2012/09/14(Fri) 16:21:38 | コラム | Trackbacks(0) | Comments(42)

トップページ

プロフィール

image
野村 正樹

バックナンバー

最近の投稿

Link

Search