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2010/09/17(Fri) 11:29:52

「景観政策の進化のかたち」

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山紫水明と称えられる豊かな自然と、1200年の悠久の歴史に育まれてきた、歴史都市・京都。

そんな京都にふさわしい景観の保全と創造を目指して、取り組まれている京都市の「新景観政策」。日々、失われつつある京都の美しい景観を取り戻すために、平成19年9月より施行された。

あれから3年。「京都らしさ」とは、一体どういったものであるのかという、大きな命題を抱えつつ、私たちと京都市は共に、様々な考えをぶつけ合ってきた。そんな「新景観政策」が現在、ひとつの転機を迎えようとしている。

「景観政策の進化の素案」と題された京都市の資料によると、3年間の「新景観政策」の運用・取り組みにおける問題点を総括し、条例改正を含めた景観政策の改善が検討されている。

たとえば、「きょうと空間創生術85〜船岡山から山科は見えるのか〜」でも問題提起をおこなった、北区・船岡山からの眺めに対する山科区の建物におけるデザイン規制についても、今回の改正案では指定区域の解除がようやく提案されている。

また、優良な建築デザインを誘導するために設置されていた「デザイン基準」の特例制度。この制度の活用には障害も多く、結局、民間建築物においては、1件(研究施設)の認定しかなされていない。これでは、「市民と共に創造する京都の美しい景観」という、当初の理念も十分に実現されているとは言い難い。

50年後、100年後の京都の将来を見据えた、望ましい都市の”かたち”を考えながら、京都で育まれた、美しい遺伝子を守り育て 、未来へと引き継ぐ使命が我々にはあると思うのである。


2010/09/17(Fri) 11:29:52 | コラム | Trackbacks(0) | Comments(35)
2010/09/03(Fri) 11:26:22

「空を感じる京町家」

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先日、中京蛸薬師にある一件の京町家を改装する機会に恵まれた。

間口5間・奥行き15間ほどの小さな京町家ではあったが、外観は昔の雰囲気が良く残されており上品な佇まいを感じさせる町家であった。内部空間は、以前オフィスとして使用されていたということもあって、かなり改変されており、薄暗い空間が無機質に広がるだけであった。

建物の調査を進めていく中で、そのような改変された状態であっても、「通り庭」の上部にあった「火袋」と呼ばれる吹き抜け空間は、比較的良好な状態で天井裏に残っていることが判明した。「うなぎの寝床」に暮らす京町衆の智恵として、採光・通風のために考え出された、奥に細長い吹き抜け空間である。

私たちはこの「火袋」と呼ばれる吹き抜け空間に着目し、新しい改装プランを計画した。

いわば現代の火袋ともいうべき機能を、京町家内部に計画し、そこから採り入れる光と風を内部空間全体に広がるような計画を行ったのである。

4つの天窓から採り入れられる自然光は、ストリップ階段やガラス床の廊下、小さな吹き抜けといったそれぞれの装置を通じてそれぞれに、柔らかく室内に開放されていく。

1階のリビング空間からは、ガラスの天井越しに、空が見える。

日頃、自然を感じることの少ない都市居住環境にあって、空を感じるということは、ある意味、現代人が忘れてしまった大切な何かを思い出させてくれる、貴重な体験なのかもしれないと思えるプロジェクトであった。


2010/09/03(Fri) 11:26:22 | コラム | Trackbacks(0) | Comments(34)

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野村 正樹

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